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三樂だよりmagazine

「山口県の日本庭園紀行」~3~

レポート 2020.04.30

「鹿苑山 漢陽寺の庭園」(山口県周南市)

周南市市内(徳山駅近く)から車で北へ40分ほど走った場所にあります。
故重森三玲氏作庭の庭をご案内いただきました。

正面の山門を仰ぎ、左手池庭の錦鯉が小雨の中元気よく泳ぐ姿を見るまでは、王道の神社かと思い右手を振り返ると凄い立石が据えられていました。
桃山時代の北栄水墨山水画家の代表的な中国の王潤の画風を日本庭園の様式に取り入れた庭「曹源一滴の庭」と呼ぶそうです。
いきなりの重森三玲氏の作品でした。

背後の山から水を引き、ぐるりと本堂からお庭に利用しています。
本堂の南面に主庭の「曲水の庭」西に「祖師西来の庭」北側に錦川からの導水路「潮音洞」
北東に「地蔵遊化の庭」更に東側に「九山八海の庭」
大書院には非公開の「瀟湘八景の庭」

1箇所のお寺さんに足掛け8年がかりの渾身の作庭を感じられます。
とにかく、石と苔と砂をぐるぐる・・・

最初に重森三玲氏の作庭を見たのは「東福寺

市松の苔庭や南庭の立てた石組みの斬新さに昭和の作庭家「重森三玲」の名を知ることになりました。
この翌々日、山口市の常栄寺雪舟寺で再び重森三玲氏の作庭を見ることになりますが…

建立当初は茅葺き屋根であったが、明治の末に瓦葺きになった「山門」(三門)

山門右側の池庭。色鮮やかな錦鯉が元気よく泳いでいます。鳥に悪戯されるようでピアノ線を張っています。

左に池、右に「曹源一滴の庭」立石に圧倒され参道から重森三玲氏を感じます。

 

南側主庭「曲水の庭」裏山から引き込んだ豊富な水が流れる曲水庭園。

「曲水の庭」

「祖師西来の庭」故重森三玲氏のお弟子さん斉藤忠一氏の作庭

「潮音洞」
本流からの導水路200m、裏山90mのトンネルを経てこの口から豊かな水が300年以上溢れています。元々江戸時代1654年の時の代官が村一帯の繁栄のために作ったものです。
左に石楠花、背後と右にモミジ。それぞれの季節が美しそうです。

 

「地蔵遊化の庭」
子供達が地蔵菩薩と遊んでいる動きのある庭です。
四方からそれぞれ違った表情を見る事ができます。

「地蔵遊化の庭」と「蓬莱山池庭」

「蓬莱山池庭」
苔の築山に石組みがこちらを見ている気がします。
苔の緑や背後の楓の赤が季節毎にしっかりとした風情になりそうです。

 

「蓬莱山池庭」
潮音洞からの分水が流れる流水式池庭

法堂に向かう道と庭園内から外に流れる水路

 

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文章・写真: 三樂編集部