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三樂文庫

モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語

2022.04.04

イタリアトスカーナ地方、「モンテレッジォ」

小さな村

旅する

本屋

そして、「物語」

興味津々のキーワードばかりが並べられたタイトル。

 

表紙の美しい奥深い山の上にある小さな村は、本を担いでイタリア各地に売り歩くことを

生業としてきた「モンテレッジォ」。

その子孫、末裔の方達(本の行商人)を著者が訪ね、「モンテレッジォ」村を紐解く。

 

そして、イタリアの「本」と「本屋」の誕生、生い立ち、原点を知ることになる。

 

イタリアトスカーナ地方は何度か古材の石材を求めて

訪れたことがある。

イタリアでは古い建材(多くは石材、煉瓦、一部木材)には価値があり、

日本に例えるなら立派な豪商、豪農の邸宅(古民家建築)の解体に伴い、

多くの建材が再び価値のある新築に用立てられる。

日本の新築とは真逆だ。

仕入れ先の家族経営の親子との商談を交えた食事はとても楽しいし、

とにかく食事が美味しかった。

この本を読んで、地名の確認に地図を見ながら一緒に辿ってみて

懐かしくもあり、再び行く機会を窺ってみたくなる。

もちろん、美味しい食事とワインにありつきたいのも目的の大きなひとつ…

 

また、行商人としての視点では、

日本でも「富山の薬売り」「近江商人」「伊勢商人」がいた。

「イタリアの旅する本屋」も同様、

国は違えど、なかなか逞しい人たちがいたんだなぁ。

 

いろいろな観点で読み返したくなる本でした。

モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語
  • 三樂文庫No:070
  • 著者:内田洋子
  • 出版社:方丈社
  • 発行日:2018年4月17日

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文章・写真: 三樂編集部