三樂文庫
「土中環境」 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技
2021.03.01
著者の-はじめに- より(抜粋)
この本は、日本人が長い営みの中で培ってきたかつての自然認識や造作、
土や水への認識とその基になるものの理解への一助になればとの願いを込めて、書かせていただきました。
生と死、死と再生を含む自然の営みと大循環を把握する際、土中環境の健康具合に視点を向ける必要があります。
いまだに一般的にはなじみのない言葉かもしれませんが、「土中環境」に視点を向けることで学び感じ取ることが、
行き詰まった時代に自然認識を修正し、未来を開いていくために必要なことと思い、
この本のタイトルにさせていただきました。
多くの方に伝わっていくことを願います。
著者:高田宏臣
また、著者のNPO法人「地球守」の活動や、なかでも里山「ダーチャフィールド」の環境再生などに共感し、
今日の社会に必要な視点を投じていただいた著書だと私は思います。
今週は3月5日から二十四節気の「啓蟄」の頃となります。
冬ごもりの虫が土の中から這い出てくる意味の春の季語でもあります。
いつの日までも季節を感じる自然環境を維持していくのは大変です。
今地球のあちこちで起こる自然災害は、自然の周期のものでなく、
人類の人為的なことに因るものです。
今日、劇的な気候変動に加え、コロナウイルスに因る感染症が蔓延しています。
未来の世界の子どもたちに「つけ」を残さぬよう出来得る限り気がついたことを行って、
生活を、暮らし方を少しでも変えていくことが今を生きる私達にとって大切な行為だと思います。
この度、この著書で「土の中」のことを学んだことは大変勉強になりました。
- 三樂文庫No:013
- 著者:高田宏臣
- 出版社:建築資料研究社
- 発行日:2020年6月20日
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文章・写真: 三樂編集部