三樂文庫
人間であることをやめるな
2021.08.30
半藤氏の書を続けて紹介します。
帯の文引用がわかりやすい目次のようなので記します。
われわれが忘れてならない大事なことは、以下の4点。
①明治の将星のもった国際情勢へのリアリズム
②石橋湛山が説いた「理想の力」への信頼
③昭和天皇の懊悩への理解
④そして墨子と宮崎駿にある平和ヘの問い
重ねて、④宮崎駿氏の言葉を借りて…
ときに、日本人は、特に若い人たちは、どう生きたらいいのか。
そうなんです。明日に光明をもてない、「行き止まり」であればあるほど、
物事をきちんと考え、
真面目に、
自分のなすべきことを困りつつウンウンと唸ってやりつづけながら、
君たちは
人間であることをやめないで生きなさい、
と。
この2冊を読んで、
戦後76年、戦争を知っている人たちはもう、あと僅かしかいらっしゃらないのでは…
ただ本で読むのと「体験」とは全く違うので、
半藤氏の言葉の力に読みいってしまう。
わたしは戦争を知らない世代だが、「戦争=太平洋戦争」程度のことしか知らず、
この2冊は新鮮で、
満洲事変以降の近代史の流れに、「どこかで、誰かが踏みとどまらせる」を努めるも虚しく、
戦争に突き進んだ事実をより識ることになりました。
今年の8月も過ぎていきます。
日本の豪雨災害、世界の気候変動、コロナ感染拡大、東京オリンピック、パラリンピック、アフガニスタン問題、
戦後76年…
平穏な日々は努力しなければ得られない。
- 三樂文庫No:039
- 著者:半藤一利
- 出版社:講談社
- 発行日:2021年4月26日
この記事をシェアする
文章・写真: 三樂編集部