三樂文庫
園芸家12カ月
2022.01.10
カレル・チャペック(1890〜1938)
ボヘミア地方、チェコスロバキアで生まれ、医者の家で育ち、哲学を学び、ベルリンとパリに留学。
戯曲「人造人間」で劇作家として世界的に有名になった。
1918年は大1次世界大戦が終わり、チェコが独立した年。
それから20年間、1938年にかけてチェコ文学が最も華やかだった時代の花形作家であった。
そのような時代背景の39歳と思われる頃、この「園芸家12ヶ月」が執筆された。
1月は「天候の手入れ」
「ブラック・フロスト」乾燥した寒さで葉や芽が黒くなる事。
霜ではない。
11月は「掘る」
1年の終わりは秋で終わる。
また、1年の始めは秋だ。
1月から12月の月毎の章で構成されており、
登場植物が280種以上もあり、調べながら読むのでなかなか進まないけど、
とにかくとても面白い。お勧めの1冊。
時代が全く違うのに園芸家の仕事と悩みは変わらないんだなぁ。
カレルの兄ヨゼフの挿画が「ほっこり」していて、超園芸愛好家の日々の苦労と喜びの
独り言にピッタリはまっている。
園芸家12カ月 改版
- 三樂文庫No:058
- 著者:カレル・チャペック 小松太郎訳
- 出版社:中央公論新社
- 発行日:1996年3月18日
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文章・写真: 三樂編集部