三樂文庫
牧野富太郎 なぜ花は匂うか
2022.01.17
「蜂は青い花が好き」なんて知らない。
あなた方も花を眺めるだけ、匂いをかぐだけにとどまらず、好晴の日郊外に出て色々な植物を採取し、
美しい花の中にかくされた複雑な神秘の姿を研究していただきたいと思います。
そこには幾多の歓喜と、珍しい発見とがあって、あなた方の若い日の生活に
数々の美しい夢を贈り物とすることでありましょう。(1944年 82歳)
種を蒔く、苗を植える、植物を眺めるだけで、採取など下手にしたら通りすがりの人に
叱られてしまいますよ。
でも、少しでも植物の近くに寄って見ると、ミクロの世界が確かに神秘的です。
ほんの少し、ほんの少し、見る時間(機会)を増やしてみよう。
このエッセイは牧野先生の博学さ、実地見聞、さらに研究により得た知識、蘊蓄はとどまるところ知らず、
読み手もスラスラ読めないが、各持論がとても面白い。
中には奇想天外な発想も植物学者を超えた、人間牧野富太郎に会える。
山を半分に縦に割ったらどうかとか
富士山の美容を整えるとか
かなり前にお客様にいただいた水草に白い花が咲き出した。
先生が発見した「ムジナモ」に似ている。
食虫植物らしき動作は見たこともなく、類似の藻かどうか
これからもっと目の穴かっぽじって見てみよう。
このムジナモ似は、
我が家の焼き物の鉢にメダカと共に何年も生きている。
白い花は春先にいくつも咲く。
今日は1995年に起きた1.17阪神・淡路大震災から27年目の年となる。
「はるかのひまわり」のように復興のシンボルとなる花もある。
- 三樂文庫No:059
- 著者:牧野富太郎
- 出版社:平凡社
- 発行日:2016年4月8日
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文章・写真: 三樂編集部