三楽

閉じる

三樂文庫

夏の庭 The Friends

2022.01.31

「庭」というタイトルに釣られ、つい手にとり裏のしおりを見てしまう。

挿絵は少年3人、「STAND BY ME」みたい。

 

内容は、少年たちが近所のおじいさんの「死」を通じて成長していく

お話です。

 

わたしも小学生の頃、「死」の恐怖に慄いた時期があった。

真っ暗な宇宙の空間をひとりとぼとぼと歩いている。

誰にも会わない、音の感覚もない。光もない。

怖くて怖くて悲しくて…

 

祖母が亡くなった小学校低学年の時は、お葬式には連れて行ってもらえなかった。

多分、「亡くなる」ということが理解できていなかった頃だと思う。

 

祖父は名古屋のがんセンターに入院していた。

初めて乗った新幹線はそのお見舞いだった。

そのことは覚えているが

やはり、そのあと亡くなったのはあまり記憶に無い。

 

この永遠のテーマ『人の死、自分の死』は今も続くが、

この本を読み終えた後は

少年たちの未来の希望に置き換わっていく。

 

少年たちがおじいさんと種を蒔いたコスモスの庭、どうなったかなぁ?

 

寒中に読むランニングシャツ少年たちの夏の思い出。

夏の庭 The Friends
  • 三樂文庫No:061
  • 著者:湯本 香樹実
  • 出版社:新潮文庫
  • 発行日:平成6年2月25日

この記事をシェアする

文章・写真: 三樂編集部