三樂文庫
ドナルド・キーンと俳句
2022.09.27
「ドナルド・キーン」さんと聞くと日本通で歯に衣着せぬ物言いの方だと
お見受けしただけで、この人が何者なのかを知らなかった。
2019年に他界された。96歳だった。
ニューヨーク生まれ、育ち、世界大戦時には日本語も勉強していたことから、
アッツ島、沖縄本島などの激戦地に通訳として赴き、大変な経験をされた。
その後の主に日本文学研究者としての経歴にも驚かされる。
晩年、東日本大震災を機に日本国籍を取得し永住を決意する。
松尾芭蕉が好きだったんだなぁ。
そして俳句。
「英国のウイスキーより美味しサントリー」昭和28年
「白たまの消ゆる方(かなた)に芳夢蘭(ホームラン)」昭和58年
In the direction
With the white ball disappeared
A fragrant orchid
その時々のご時世の一句。
キーンさんの研究対象の松尾芭蕉や正岡子規の俳句の奥深さの端を知ったが、
このような目に浮かぶキーンさんの句が好きだ。
生前のC.W.ニコル氏の講演を聞いたことがある。
いま、ギリシャ生まれのラフカディオ・ハーンとその妻、小泉セツのコラムを読んだばかり…
みなさん、日本人以上の超日本人の外国人がいた。
ドナルド・キーンと俳句
- 三樂文庫No:091
- 著者:毱矢 まりえ
- 出版社:白水社
- 発行日:2022年7月10日
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文章・写真: 三樂編集部