三楽

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三樂文庫

折々のうた 春夏秋冬・春

2023.04.06

読み人知らずや「新古今集」「伊勢物語」など彼方の作者から、

現代の作者まで選出された詩集です。

折々のうたから「春」のうたの書。

 

植物や虫に対する観察力、透察力。

そこに吹く春の風、朧な月。

人の気持ち、心の動き、時間軸。

 

短い言葉でそれだけでは理解ができない句もあるが(わたしの理解力)、

解説があるため、ほぼ、本意が伝わり理解が深まり読みやすい書です。

そして、時間を超えて普遍の感受性を薄々感じます。

 

大空は

梅のにほひに霞みつつ

曇りもはてぬ

春の夜の月

 

藤原定家

 

囀りを(さえずりを)

こぼさじと抱く

大樹かな

 

星野立子

 

春の夜にぱらぱらページを捲りつつ、

眠りに誘われるもよし。

折々のうた 春夏秋冬・春
  • 三樂文庫No:106
  • 著者:大岡信 〈編者〉折々のうたを読み伝える会
  • 出版社:童話屋
  • 発行日:2016年6月17日

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文章・写真: 三樂編集部