三樂だよりmagazine
三樂にとってのガビオン
コラム 2022.07.15
日本では「蛇籠」という呼び方が一般的な石詰め籠の総称です。
古くは古事記にも記述があり、安土桃山時代に竹を使って円筒状に編んだカゴに石を詰めた事が始まりで、
その用途は、自分の領土の保全、また、領土拡張のための治水工事でした。
徳川幕府により江戸時代が始まると河川改修や災害復旧工事に蛇籠は盛んに使われました。
そして明治時代に入り、材料としての亜鉛メッキ鉄線と蛇籠製造機が実用化され、戦後、需要の増大により、
JIS規格が制定され品質向上と共に河川、土木、土留などに使われ現在に至っています。
蛇籠の呼称は、「へびがとぐろを巻いた形」に似た円筒形に由来するものです。
そして四角形じゃかごの製品化に伴い、方や「ふとんカゴ」と呼ばれていました。
私は昭和の時代に「蛇籠」「ふとんカゴ」の流通に少々携わっていました。
平成に設立した「三樂」の取扱商品は、自然素材(自然石、煉瓦、木材)を主としました。
この時、取引先より自然石を利用したガビオン(英国製)の紹介を受け、この事がきっかけで、
より安全で施工製の良いコンパクトサイズのガビオンを設計制作し、展示会に出展し商品化に至りました。
角を「曲げ加工」して切り口は全て内側に向け安全第一を優先し、専用の接続金具にボルトナット締めで施工性良く、
同じく専用連結金具でサイズバリエーションを広げました。
数年前に訪れたフランス、リヨンのエクステリア展示会、そして英国、バーミンガムで毎年開催されるガーデン展示会「glee」では、「ガビオン」はとても進化していました。
モダンで洗練された印象のデザインが多く、
水、火、土留、階段、ベンチ、パーテション、キッチン、プランター、目隠し、暖炉、ポスト、テーブルの脚、
照明、鉄筋、溶接、サビ…
あらゆるキーワードがガビオンの形になっていることに、とても刺激になり、影響を受けたこと、つい昨日のようです。
さまざまな場面で素材(特に自然石)にこだわり、植物も絡め、「カタチ」を作ることは、創造的で、自然体で、
肩の力を落とした豊かな暮らしの始まりになるとおもいます。
「植物と自然石の新たなカタチを創ります」が三樂ガビオンのコンセプトです。
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文章・写真: 三樂編集部